転職と年齢
[編集] 雇用構造の転換 バブル不況によって、企業の雇用構造は大きく転換した。バブル崩壊後、多くの企業は、社内の業務を見直し、正社員には一部の基幹業務だけを任せ、周辺業務は雇用調整が容易な非正社員(アルバイト、契約社員、派遣社員など)に委託するリストラを行った。そのため、非正社員の需要が増える一方で正社員の需要は減った。また、中心的な業務を任せる正社員には優秀な人材を配置したいと考える経営者が増え、採用予定人数内であっても基準に達していない者は採用しないケースも増えている。 即戦力として中途採用市場への期待も高まっており、新卒の就職難は構造的なものになりつつあるのが現実である。中途採用では、新卒採用にみられる様な学歴差別やエントリーシートによる機械的な選別(新卒と違い、即戦力を求める採用活動に、そのような選別方法は全く無意味)を行う企業は少なく、応募者から提出された履歴書や職務経歴書を基に、応募者の総合的なキャリアを丹念に見極めようとする企業が多数派であるが、殆どの場合において採用時期が不定期である上に、採用枠も若干名であるため、競争率は新卒と比較にならないくらい高倍率になる。 [編集] 配属部署の決定 企業の人事担当者から見ると、採用活動中の情報だけで、新卒採用者の適性や能力を十分に見極めることは難しい。そのため、試用期間中に研修を実施したり、各種業務を経験させたりして、勤務態度や適性を評価し、その後の配属に反映させることが多い(最悪の場合解雇される場合もある)。この期間は概ね1か月から半年に及ぶ。紹介予定派遣も同様の趣旨に基づく制度である。 リクルートワークス研究所発表資料によると、2006年3月卒業卒業生に対する募集は70万件ほどあり、バブル期と同程度まで回復している。学生の民間企業就職希望者も景気の回復を受けて増加しているが、40万人程度で推移している。 [編集] 就職浪人 活動期間の長期化のため、仕事をする意味を見失い(あるいは見つけられず)、活動途中に就職をあきらめてしまう学生も珍しくなくなっている。上級学校に進学する場合はともかく、こうした学生の中には卒業しても何もしない(できない)無業者(ニート、引きこもりなど)やフリーターになるものも多い。途中で活動をあきらめる理由には、次のような理由が挙げられる。 スカウト 就職に対する学生の動機が薄いこと。 社員採用そのものが少ないこと(特にバブル経済崩壊後の地方)。 社員採用が多い企業でもキャリアやスキルがうまくマッチできないこと。 そのため、入学直後からキャリア形成のセミナーを開き、学生に「どんな仕事がしたいのか」、「そのために何をすればよいのか」など就職への動機付けを働きかける大学も多い。 また、就職に意欲がある者でも運悪く(縁が無く)なかなか内定が取れず、やむなく複数年にわたる就職活動を行っている者もいる。このような者は中途採用・新卒採用・第二新卒採用の応募資格に当てはまらず、以降の就職活動が非常に不利になる。特にバブル経済崩壊後、2004年頃までの卒業生は求職が少なかったので、正社員への就職が厳しい状況にある。近年、一部で『卒業から何年以内。卒業後、正規雇用での就業経験のある者を除く』といった条件つきながら、既卒者に対しても門戸を開く大手企業も現れはじめた。とはいえ、その数は現在でも非常に少ないため、新卒者に比べ、はるかに不利であることは、いうまでもない。 転職サイト [編集] 内定の重複 就職が決まらなくて苦戦する学生がいる一方で、企業が求める資質を多くもった学生に内定が集中する傾向がある。内定がどのような法的効力をもつかはケースバイケースだが、一般に被雇用者側からの雇用契約解除は広く認められているので、複数の会社から内定をもらっておいて、一部を辞退することは問題ない。しかし、辞退の連絡をしない、または就業開始直前になって辞退するなど、社会通念に反した内定辞退者がいることが問題になっている。 逆に、内定提示後の企業の経営状態の悪化、ひどい場合は倒産で内定が取り消される場合もあり、特に入社直前にこのような事態になると、救済措置は全くないので、大きなハンデを抱えての就職活動の再開(後述)を余儀なくされ、泣き寝入りせざるを得なくなる。 [編集] その他仕事 [編集] 女子学生の採用 男女雇用機会均等法により、女子学生を採用で不利な取扱いをしてはいけないこととなった。一方で、雇用者における男女比では男性の方が多い状況にある[2]。女子社員を敬遠する理由として、結婚や出産などによる退職や育児休暇等で職場を離れる可能性が男性社員に比べて高いため、教育コストなどとの費用対効果が男性に比べて低くなるといった点が主張されている[3]。もっとも、こういった考え方は逆に非経済的であるという説もある[3]。 看護師 求人 [編集] 縁故採用 大手広告代理店やテレビ局、地方の地元企業の中には、有名人、有力者の子弟が多く社員にいること、地元出身者・在住者が優先される場合が多いことから、有力者の口利きで一般採用より有利な条件で内定を得る「縁故採用」があるとされ、採用枠の中で縁故採用がどれほどの割合になるのかなどが話題になる。 「縁故」は公平性に欠け、優秀な人材を集められるとは限らないので、前時代的なものとして廃止される傾向にあったが、「縁故」のある人物は「縁故」への配慮から就職後すぐに辞めることが少なく、機密漏洩などの問題を起こすことが少ないという点で、再び見直す企業もある。 「縁故採用」は学生本人には就職活動が円滑に行えるメリットがある反面、入社後の人間関係により気を配る必要があったり、一般入社をした者と比べて転職・退職が困難になったりする(縁故採用の大半は、学生の親戚縁者がその企業と関わりが深いので、安易に退職すれば紹介した者が不利益になる可能性があるため)。また、縁故入社で入った人間は形式的な採用試験しか受けていないことが多いので就職活動の経験に乏しく、転職活動で苦戦しやすいとも言われている。 [編集] 学歴差別 インターネットによる就活が一般化したことにより、就職希望者が増加したことから、採用の第一段階におけるスクリーニング手段として学歴を使用する(学歴フィルター)ことが指摘されている[4]。 表向き、学歴不問としている企業は多いが、実際には多くの企業で学歴による仕分けが行われている。根本には情報の非対称性が存在することを前提に、要因としていくつかを以下に挙げる。 学生の二極化とに対応する - 「自分を高める努力をしてきた学生」が学力偏差値上位校に多いのに対し、「アルバイト頑張ってきましたと答えるような学生」が下位校に多いため[4] 人事部のリスクヘッジ - 「変な人を採った」とあとで言われないために、過去の採用実績を重視し出身校で選定する[4] 一般的な学部生よりも、業務に関連した専門的な知識等を学んだ学部生を採りたい[4] 手法としては、以下のような方法がある。 エントリーシートの段階で足切り(選考のテーブルにのらない)[4] 特定の学校にのみ説明会を開く[4] 特定の学校出身者に採用権限を与え、後輩にアプローチをかける[4] こうした状況の中、ソニーなどごく一部の企業では、学校名を問わない企業が出てきている[4]。 [編集] 日本以外 イギリスにおいては、大学ランキングの浸透に伴い、上位校の学生のみを採ろうとする企業が現れ始めた[5]。 [編集] 就職活動の都市伝説 真偽は定かではないが、毎年多くの学生の間で語られる噂・小話がある。例えば、これらの話が比較的知られている。 日産自動車の面接で「GNPの意味は?」と問われた学生が「頑張れ(G)(「ガッツだ」説もあり)日産(N)パルサー(P)」と答え内定した。 サッポロビールの面接で面接官の質問に一切答えず黙ったままの男子学生に面接担当者が怒ると、彼は一言「男は黙ってサッポロビール」と言い放ち内定した。 もっとも、必ずしもユーモアのある面接担当者にあたるとは限らないので、これらのことを実際にやると、「ふざけるな」「オリジナリティがない」などと落とされる可能性が非常に高い。 [編集] ブラック企業 一部のインターネットコミュニティで話題に上がる「社員にとって厳しい労働環境を持つ企業」のこと。ブラックの定義は、 過労死するほど社風として残業するのが当たり前、休日返上は当たり前。 その割に給料が安い、残業代などもってのほか。 入社後3年以内の離職率が高い。 仕事が誰でも覚えられる。または体力勝負で数年後にはぼろぼろになって使い捨てられる。 30歳近くになって給料が上がってくると首を切られる。 [編集] 採用基準の不明瞭さ 選考のポイントは「適性」「表現力」「個性」などを重視するとしている企業がほとんどであるが、以下のようなことが現実としてある状況で、どのように前記のポイントを見極めているのかが非常に不明瞭であり、大半の学生は不信感を抱いている。インターネットからのエントリーが主流となった現在、有名企業や人気企業、大手企業であれば1社につき何万件と配信されてくるエントリーシートを全件、1件ずつ隅から隅までじっくりと目を通して慎重かつ公正に判定することが物理的に不可能である現実も、前述のような男女差別や学歴差別に拍車をかける要素の一つである。